子宮内膜症と不妊症
子宮内膜症は、不妊症を合併することが少なくない疾患です。そのため、「不妊治療を優先すべきか」「子宮内膜症の治療を優先すべきか」は、多くの方が悩まれる問題です。不妊治療を進めながらも、子宮内膜症の進行や症状を適切に評価し、体の状態を整えていくことも重要と考えられています。
東洋医学からみた子宮内膜症
東洋医学では、子宮内膜症は 瘀血(おけつ)という状態と深く関係すると考えられています。瘀血とは、血液の流れが滞り、必要な場所へ十分に巡らなくなった状態を指します。
当院では、この瘀血の背景には、自律神経のバランスの乱れや骨盤内の血流低下が関係していると考えています。
子宮は十分な血流によって栄養されることで、本来の働きを発揮します。しかし、血流が低下すると子宮の収縮機能が十分に働かず、月経血をスムーズに排出しにくくなることがあります。その結果、子宮は無理に収縮を繰り返し、強い月経痛につながると考えられます。
東洋医学では、このような状態が続くことで月経血が体内に滞り、子宮や卵管、卵巣、骨盤内に瘀血が形成され、子宮内膜症の症状が悪化しやすい体内環境になると考えます。
骨盤内の血流が低下する要因
骨盤内の血流低下には次のような要因が関係すると考えています。
運動不足
骨盤を支える筋力が低下すると姿勢が崩れ、腰痛を引き起こしやすくなります。腰部の緊張は反射的に骨盤内の血流にも影響を及ぼすと考えられます。
精神的ストレス
ストレスにより交感神経が過度に緊張すると、末梢血管が収縮し、骨盤内の血流が低下しやすくなります。
冷え
冷えやすい体質では血管が収縮しやすく、骨盤内の循環が悪くなることで、瘀血を助長すると考えられます。
鍼灸で目指すこと
鍼灸では、自律神経のバランスを整え、骨盤内の血流改善を促し、子宮が本来の働きを発揮しやすい状態へ導くことを目標に施術を行います。
子宮内膜症そのものを治すことを目的とするものではありませんが、月経痛や骨盤痛の軽減、冷えやストレスの改善を通して、体全体のコンディションを整えることで、妊娠しやすい身体づくりをサポートします。
当院では、婦人科での検査・治療を継続していただきながら、一人ひとりのお身体の状態に合わせた鍼灸施術を行い、不妊治療との併用も含めて総合的なサポートを大切にしています。